レポート

重曹クエン酸水についての考察その2(クエン酸について)

今回は「クエン酸」について考察します。

1.クエン酸の構造

クエン酸の分子式はC6H8O7、カルボキシ基(-COOH)を3つ持つ酸で、弱酸とはいいながら2%程度の水溶液でpH2程度とかなりの酸性を示します。

クエン酸には「クエン酸」「無水クエン酸」「クエン酸(結晶)」といった表記がありますが、以下のような違いがあります。同じクエン酸でも用途によって呼称が異なりややこしいですね。

クエン酸無水物 クエン酸一水和物
食品添加物としての名称 クエン酸(無水) クエン酸(結晶)
日本薬局方での名称 無水クエン酸 クエン酸水和物
化学式 C₆H₈O₇ C₆H₈O₇・H₂O

ちなみにクエン酸は次の図のような構造をしており、この状態を「無水物」といいます。

このクエン酸分子に水分子1個が弱く結合して結晶になっている状態が存在し、これを「一水和物」といいます。
つまり、水分子が有るのと無いので「クエン酸(無水物)」「クエン酸(一水和物)」と区別されているわけです。両者の違いは溶けやすさや固まりやすさの性質であり、効能はどちらも同じです。

2.クエン酸の効能

それではクエン酸のどんな点が身体に善いのでしょうか。

クエン酸は「疲労回復」に効果があると言われますが、ここでクエン酸に関係する「クエン酸回路」について考えてみましょう。

私たちの身体の細胞の中にはミトコンドリアという小器官があり、そこでエネルギーを生み出しているのがクエン酸回路と名付けられた一連の生化学反応です。

クエン酸回路の前段階として、食べ物から得たブドウ糖から何段階かの反応を経てピルビン酸というものが生成します。
ピルビン酸からオキサロ酢酸とアセチルCoA (アセチルコエンザイムエー)という酵素が生成し、両者がクエン酸回路に入って最初にクエン酸が生成します。
そこから循環するように反応して最後にオキサロ酸に戻ってくる反応の中でATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを生み出しているという過程です。

このようにクエン酸は体内で生成されていますが、直接クエン酸を摂ることで活動エネルギーを早く産むことができるのであれば、クエン酸は疲労回復に大変有効であると言えます。

このほかクエン酸の性質として知られているのが「キレート作用」です。
キレートとはカルシウムイオンなどの金属イオンを挟み込むような結合のことで、クエン酸はカルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラルをキレート作用によって体内に吸収しやすくすると言われています。

余談ですが、酸っぱいイメージからクエン酸とビタミンCがしばしば混同されるようです。クエン酸とビタミンCは共に強い抗酸化作用が期待できますが、似ているようで全く違う物質です。ビタミンCは体内で生成されませんので食事から摂取する必要があります。

さて、他にもクエン酸の効果といわれているものに、

食欲増進・胃酸分泌促進
肩こり筋肉痛改善・血流の改善・動脈硬化予防
腸内環境の改善(悪玉菌の増殖を低減)・便秘改善・腸粘膜の修復
抗酸化作用・肝臓の機能改善
デトックス・ダイエット

などがあります。

クエン酸に関する研究もまだ発展途上であり、今後さらにその効果効能のメカニズムが明らかになることが期待されます。

次回はいよいよ重曹クエン酸水の真実に迫ります。

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